最近よくお水を飲むけど、大丈夫かしら?

多飲多尿(水をよく飲み、おしっこの量が多い)という症状はいろいろな病気のサインです。
・腎不全
・糖尿病
・クッシング症候群
・子宮蓄膿症
・甲状腺機能亢進症
・肝不全
などなど。
今回はその中でも「慢性腎不全」についてお話しします。
慢性腎不全は、腎臓の細胞がいたむことにより体に有毒な老廃物がたまっていく病気です。
それによりいろいろな症状が出てきますが、一番最初に目につくのが先ほどの「多飲多尿」です。
状態の進行ぐあいにより多少治療は違ってきますが、この病気の目標は「今後の病気の進行をなるべくゆっくりにさせる」ということになります。
大切なのは「腎臓のための処方食」。
これを食べるのと食べないのでは寿命に差が出てきます。
低蛋白、低リン、低ナトリウムで腎臓に負担をかけないように作られているからです。
そのほかに、活性炭の投与により食餌が消化されて出てくる物質を吸着させて便に出す、血清リンが高い場合はリンの吸着剤、尿に蛋白が出ている場合のお薬や猫では腎臓の細胞の炎症を抑えるお薬などがあります。
いま、血液検査でも以前より早めに腎不全を見つけることが出来るようになりましたが、いつも一緒にいる飼い主さんの方がもっと早く異常を発見できるかもしれません。
また、シニアの子が高齢後期に入ったら、予防のために腎臓食を食べさせるというのも考えても良いかもしれません。
暑い季節が終わっても、水をたくさん飲むときは要注意です。
かかりつけの病院にご相談ください。
(執筆:椎橋先生)
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